北へふたり旅 46話~50話
「ただし。追加料金がかかります」とほほ笑む。
「追加料金?」
「はい。こちらは7000円が追加されます」
基本料金と追加料金・・・なんだそれ?。
なるほど。パンフレットをよく見ると料金別にホテルがランク分けしてある。
(一泊目です。しょうしょう奮発しても大丈夫。
そのかわり連泊の札幌は、規定料金のホテルにしましょう)と
妻がささやく。
「じゃそこ。ラビスタ函館べィで」
「承知しました。空きがあるかどうか確認してみます」
女の子がパソコンを操作する。
季節や曜日の条件により、ホテルの値段は変動する。
「とれました。8月27日。
ラビスタ函館べィ お二人様。
ご希望通り、喫煙室が確保できました」
驚いた。
健康増進法で禁煙が進む中、喫煙営業しているホテルがいまだに有った!。
妻と娘はいまだ愛煙家のまま。
「やめたいんだけど・・・」苦笑しつつ、いまも娘と2人で煙草をふかしている。
ダメもとで喫煙室を希望した。
しかし函館でトップランクのホテルで、喫煙室を確保できるとは
夢にも思っていなかった。
この結果に妻はおおいによろこんだ。
ついに妻はいつも空いているこのJTBの、熱狂的大ファンになった。
(50)へつづく
作品名:北へふたり旅 46話~50話 作家名:落合順平