北へふたり旅 46話~50話
北へふたり旅(49) 北へ行こう⑤
「8月最後の週。月曜から3泊4日で北海道旅行を考えています。
きままな2人の自由旅、という形でお願いしたいのですが。
移動はすべて鉄道でお願いします」
「8月27日から4日間、個人型のフリープランですね。承知しました。
宿泊地のご希望はございますか?」
「1日目は函館。2日目と3日目は札幌を考えています」
スーパーマーケット内、JTBの窓口は今日も空いていた。
待つ必要もなく「どうぞ」と、いつもの女の子に案内された。
「函館ですと市内のホテルと、ちかくの温泉におすすめがございます。
どちらをとりましょうか?」
「温泉?。函館に温泉があるのですか?」
「北海道の三大温泉の一つ、湯の川温泉です」
「移動は?」
「鉄道は函館までです。その先はバスかタクシーの移動になります。
函館駅から温泉まで、20分から25分ほどです」
温泉と聞いてこころが動いた。
しかし。鉄道が接続していないと聞いて躊躇した。
2人ともうまれてはじめての鉄道旅だ。
移動が複雑化すると負担がおおくなる。疲れすぎないか心配になる。
「市内でホテルをとってください」
函館市内のホテルのパンフレットがひろがる。
函館で観光したいのは朝市と、赤レンガ倉庫と函館の夜景。
「それでしたら、こちらがおすすめです」女の子がひとつのホテルを指ししめす。
作品名:北へふたり旅 46話~50話 作家名:落合順平