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コロナを吹っ飛ばせ! ライダー!

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 数々の迷惑行為動画は瞬く間に再生回数を伸ばして行き、違法デモも数と頻度を増して行く、眉をひそめる者も当然多いが、中には快哉を叫んで同調しようとする者もいる、迷惑行為に加担する者、独自の迷惑動画を撮影して配信し始める者、違法デモに参加する者、独自のデモを始める者も現れて大きな社会問題になって行った。
 
 何かを築こうとするには時間と努力を必要とするが、それをぶち壊すのは容易だ、数か月にわたる人々の自粛努力が水泡と化す瀬戸際に立たされた。
 
 ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

「これはショッカーの仕業なんじゃないか?」
「間違いないな、その証拠に知った顔もチラホラいるぜ」
 元ショッカーだった剛はモニターを見ながら唸る。
「だが、ショッカーを離れてだいぶ経つからな、全部はわからねぇよ」
「ああ、私服姿ではショッカーと特定できない、一般人もかなり混じっているようだから、これはちょっと手出しできないな……」
 ライダーチームはこの事態を前に何も出来ないでいた。

ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

「わはははは、これはなかなか痛快な見ものだな」
「全くアル、怪人すら必要ないアル、言ってみれば全部がコロナ怪人アル」
「見てろよ、その内医療崩壊が起こってパニックになる、治療を受けられない者がバタバタと死んで行くぞ」
「当然高齢者が優先されるアル、治療を受けられないで死ぬ若者が出れば問題になるアルよ、“Young Lives Matter”暴動が起こるアルよ」
 地獄大使とフー・マンジューは、物陰に潜んで騒動を見守りながら高笑い。
しかし……地獄大使は内心穏やかでばかりはいられない、この作戦はフー・マンジューの発案、首領も徐々にフー・マンジューに重きを置くようになって来ているのだ。
 このままではこの得体の知れない中国人が筆頭幹部の座に就き、自分はその配下にされてしまう、それは彼の無駄に高いプライドが許さない。
 焦りを感じた地獄大使は配下の戦闘員にナイフと棍棒の携帯を許してしまった。
 無法者に武器、そうなれば迷惑行為では済まなくなる、行きつく先は暴動だ。

ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

「よし、出動だ!」
 武器を持ち出しての暴動となれば明白な犯罪行為、ショッカーであろうとなかろうと制圧することに問題はない、あくまで制圧だが……。
 
「おい! お前たちがショッカーの戦闘員であることはわかってるんだぜ」
「お? マッスルか、何を証拠に言うんだ? 俺たちは一般市民だぜ」
「俺が元戦闘員だったのを忘れたか? 見覚えがある顔がチラホラ見えるぜ」
「ち……違う、人違いじゃないのか?」
「お前は枝野だな? ほれ、そっちには安住、福山、山之井もいるな」
 あくまでシラを切ろうとするが、マッスルに名前まで言い当てられては言い逃れできない。
「バレちまっちゃぁ仕方がない、だが本当に一般市民も混ざっているんだぜ、ライダーが一般市民を殴ったり蹴ったりしてもいいのかよ」
「それもわかっているさ、だが破壊行為や略奪行為は立派な犯罪だからな、既に犯罪者になってるんだよ、だが安心しろ、こっちもそうそう荒っぽいことはしないぜ、傷を負わせるとマスコミや人権派弁護士がうるさいからな」
「ふん、傷を負わせずに俺たちに勝てるとでも言うのか? もっとも、こっちはコロナに感染しているんだ、触れることはおろか、ソーシャルディスタンスを侵すことも出来ないだろうがな、それ! みんな、抱きついちまえ! コロナ・ハグ攻撃だ!」
「おぅっ!」
 暴徒たちが声を上げるや否や、物陰に隠れていたライダーマンが姿を現し、アタッチメントアームからガスを吹き掛ける。
「おおお、つめてぇ!」
「マイナス50度のガスさ、これで少なくともウィルスは活動できなくなる」
「ふん、それでもこっちにはナイフも棍棒もあるんだ」
「それを使うと言うのは、動けたらの話だろう?」
 いつの間にか現れたライダー、手にはバズーカ砲を携えている。
「そ、それで撃つつもりか!? 一般市民も巻き添えになるぞ」
「狙い撃ちはしないさ、まあ、発射はするがね」
 ライダーはバズーカ砲を上空に向けて発射する、すると大きな網が開いた。
「今だ!」
 広がった網の四隅から伸びているワイヤーをライダー、ライダーマン、マッスル、レディ9の4人が引っ張る。
「うわぁぁぁぁぁ!」
 網は下で閉じ、暴徒は一網打尽にされてしまった。
「後はよろしくお願いします」
「了解しました! ご苦労様です!」
 防護服に身を固めた警官隊が現れ、ライダーたちに敬礼した。

ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

 一方、マンジューのデモ隊も予期せぬ妨害に凍り付いていた。
「あ……あれは……」
「こんな昼間からかよ……」
 デモ隊の行方を阻むのは妖怪たちの群れ、百鬼夜行だ。
 いや、昼間からなので百鬼昼行か……。
「このデカブツ! どきやがれ!」
 そんな脅しはぬりかべには通用しない、どっしりと構えて行く手を塞ぐ。
「このっ! チョロチョロしやがって!」
 角材で殴りかかるが、唐傘お化けは意外とすばしこい、一本足でも身の軽さは折り紙付きなのだ、長い舌をひらひらさせるのも癪に障る。
「うわぁ! 気味が悪いぜ」
 ろくろ首に巻きつかれた戦闘員が悲鳴を上げる。
「一枚~、二枚~、三枚~」
 お菊も皿を数えるばかりでなく、今回ばかりは投げつける。
「おほほほほ……十枚数えても良いのかい?」
「え? そ、それは……うわぁ! つめてぇ!」
 上空には一反木綿に跨ったお雪、剥き出しになった白い脚もなまめかしく、冷気を吹きかけてウィルスの活動を止めるとともに、デモ隊の動きも鈍らせる。
「一反木綿チーム! 出番よ! しっかりお願い!」
 号令をかけたのは晴子、この百鬼昼行を指揮していたのは彼女だ。
「合点でごわす!」
 飛来して来た数十反にも上ろうかと言う一反木綿の群れ、それぞれが裾を腕に縛り付け一本の長い反物となって動きの鈍ったデモ隊の周りをぐるぐると回り、縛り上げてしまった。
「よ、妖怪だろうとウィルスには感染するんじゃねぇのかよ!」
 デモ隊のリーダーが叫ぶと、晴子はその目の前でチッチッと指を振ってみせる。
「おあいにく様、一反木綿チームはアルコール消毒液をたっぷり吸いこんでるの、感染の恐れはなくってよ」

 ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

「お前ら! なんだ! その体たらくは!」
 業を煮やした地獄大使が姿を現した。
「地獄大使かっ、貴様が出て来るべきじゃなかったな、この暴動騒ぎはショッカーの仕業だと公言したようなものだ」
「し……しまった……いや、待て……見ろ、テレビカメラはそっぽを向いているぞ」
「それも想定内さ、ショッカーの後ろ盾となっているのは誰なのかくらいはとっくにバレているからな……だが、見ろ、動画を撮れるのはテレビカメラばかりではないぞ」
「ぐ……」