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コロナを吹っ飛ばせ! ライダー!

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 辺りを見回した地獄大使の目に飛び込んで来たもの、それは一斉にスマホを構える野次馬の姿だった。
「く、くそっ……いや、しかし、今回の作戦でコロナウィルスは随分と感染拡大したはず、作戦は失敗したわけではないぞ」
「確かにな……だが、特効薬の開発は最終段階に入っているんだ、ライダーマンの友人たち、優秀な科学者グループが総力を挙げて取り組んでいる、完成は時間の問題だよ」
「な、なんだと?……そ、その薬、こっちにも寄こせ」
「寝言は寝て言え、感染を拡大させておいて『寄こせ』とはね、図々しいにも程があると言うものだ」
「く、くそっ、千年恨むぞ……」
 地獄大使はそう言い捨てると煙玉を破裂させて姿をくらました。
「ちっ……相変わらず逃げ足だけは速いな……千年恨むだと? 勝手に言っていろ、どこからどう見ても逆恨みじゃないか……」
 ライダーはそう独り言ちた。

ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

「お前たち! 木綿の布ごときで身動き取れなくなるとは、情けないアルよ!」
 もう一方のフー・マンジューも思わず飛び出してしまった。
「あ、フー・マンジュー様! これはただの布じゃないんです、意志を持って締め付けて来ます、とても抜けられません、マンジュー様の魔術で助けて下さい!」
「そ、そんな魔術はないアルよ、魔術を使うにはしっかりと仕込みが……」
「は?」
「な、何でもないアル、聞かなかったことにするヨロシ」
「聞かなかったことにって……手遅れですよ」
「ど、どうしてアルか?」
「周りを見て下さい」
 縛り上げられたデモ隊の周りにもたくさんの群衆が……やはり手に手にスマホを構えている。
「アイヤー! ほ、報道管制を敷くアル!」
「お国じゃないんですから……」
「日〇記者交流協定が……」
「マスコミは抑えられてもネットは無理ですよ、お国とは違って監視されてませんから」
「い、いや……youtube、facebook、twitter、ticktok、どれもこれも党の息がかかった人間区を送り込んでいるアルよ!」
「もう手遅れですよ、アッと言う間拡散しますからね、後追いで凍結しても魚拓は取られちゃいますよ」
「ふ、不便な国アルな」
「誰にとって便利なんですかねぇ……」
 戦闘員たちが化けたデモ隊は白け切り、賛同して参加した一般人たちもすっかり目を醒ました……。

 ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

「丈二、特効薬の開発はどんな具合だ?」
 騒動は収めたがまだ問題がすっかり解決したわけではない、アミーゴの二階での会議の席上、おやっさんが尋ねた。
「すっかり出来上がりましたよ、問題は認可なんだが……」
「それはワシが官房長官に口をきこう」
 おやっさんは官房長官と旧知の間柄、『罠だ! ライダー!』でちょっとした貸しもある。
「もっともな……いくら官房長官が促したところで役人は保身しか考えていないからな、すぐに認可されるかどうかは何とも言えんが……その辺りのスピード感ばかりは独裁国家には到底及ばないな、何事も慎重に議論して決めるところが民主主義の良い所でもあるんだが、こんな時ばかりは……」

 しかし、総理の英断で特効薬は速やかに認可されて、世界は晴れてコロナ禍から脱出した。

 あくまで『ライダー!』シリーズの中の世界でのことだが……。
 
ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

「こっちの世の中もこんな風にスンナリ行かないかなぁ……」
 原稿を送信してPCを閉じた作者はため息をついた……。