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された記憶がない

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「じゃあ…この前してくれた……告白の返事、今からするね──」

 お茶の時間。

 行きつけの店のオープンテラス。

 テーブルの向こうで、珍しく曜子が言い淀む。

「えーとぉ…ごめんなさい…… 私、あなたとはお付き合い出来ません」

 俺は頭が真っ白になる

 体は凍りついた様に固まり、身動き出来ない。

 何とか絞り出そうとした声を遮るように、曜子が呟く。

「─ ってされた告白を断るの、ずっと憧れてたんだよねぇ♪」

「は…!?」

「それだけ驚いてくれれば、私も 色々と本望♡」

 脱力した俺の上半身は、ゆっくりと椅子の背もたれに崩れた。。。

作品名:された記憶がない 作家名:紀之介