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北へふたり旅 41話~45話

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 北へふたり旅(44) 第四話 農薬⑩


 貝原益軒が正徳4年(1714年)、野菜についてまとめた記述がある。
そのなかで胡瓜を
「これ瓜類の下品なり。味良からず、かつ小毒あり」と書いている。
おなじように農学者の宮崎安貞も、
「下等の瓜で、賞味して食べるものではないが、多くの瓜に先だって
早く出回るので、田舎で多くつくられている。
都ではつくることは希である」
と酷評している。

 当時。中国の食べ方をまね、黄色くなるまで完熟させた。
歯ごたえも悪く、「黄瓜(きうり)」と呼ばれたことが名前の由来になった。
「毒」が何を指すのか気になる。
高い水分量を誇る胡瓜は利尿作用と、身体を冷やす作用がある。
胃腸の弱い人が食べると下痢を起こしたことから、毒があると考えられた。

 「汚名」はそれだけにとどまらない。
ギネスブックにも載った。
講談社の1987年版「ギネスブック 世界記録事典」。

 生で食べる果実38種を分析したところ、抜群のカロリー価はアボカド。
熱量は100g当たり163カロリー。最低はキュウリで、同16カロリー。
しかしキュウリは野菜の仲間。
果実と比べることに無理があると思う。
しかもキュウリは100%水で出来ている。
カロリーなど有ろうはずがない。

 「群馬のキュウリはすごい。
 長年トップ5を維持してきたが、平成29年、ついに全国一位へ躍り出た。
 栽培用ハウスの整備や、二酸化炭素をコントロールする
 環境制御装置のおかげだ。
 俺も長年がんばってきた甲斐がある。
 しかし・・・もう疲れはてた」