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北へふたり旅 41話~45話

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 土壌の中には、たくさんの細菌がいきている。
大量の農薬散布により、それらの細菌が損なわれる。
死滅した土壌細菌はメタンガスとなり、気候変動を激化させる。
共生菌を失った植物は、病原菌にやられやすくなる。
こうなるとさらなる殺菌剤が、必要になる。

 この悪循環に終わりは来ない。
ゆえにラウンドアップを禁止しなければならないという声が、
世界中からわきおこる。

 「しかし。このグリホサートってやつは厄介だ」

 ラウンドアップの有効成分グリホサートは、特許で保護された
期間を過ぎた。
他社から同成分。もしくは類似成分の除草剤が販売されている。
いわゆるジェネリック剤だ。
これらは安価で、効果もほぼ同等。

 後発品に農薬登録を取得したものと、取得していない
非農耕地向けの2種類がある。
非農耕地専用、農薬登録がないものを農耕地に使った場合、
農薬取締法違反で処罰される。

 ジェネリック品のひとつに、サンフーロンがある。
葉面に散布しただけで、根までシッカリ枯らす。
土壌に薬剤が落ちた時点で、効果が無くなる。
除草剤を撒いた後、日を置かず作付けが行える。
ラウンドアップにくらべ、はるかに安価。
などをうたい文句に、おおくの農薬メーカが販売に力を入れている。

 「誰でもつくれる、ジェネリックの台頭ですか。
 やっかいですねぇ・・・」

 「そう思うだろう。マスターも。
 頭の痛い問題だ。農薬と化学肥料の問題は。
 しかしな。グリホサートとモンサント社ばかりを責めるわけにいかん。
 20世紀は食料増産に、ひたすら奔走した時代だ。
 褒めるつもりはないが化学肥料と農薬の進化は、増産の原動力になった」

 「食料の増産は、21世紀も同じです。
 地球の人口は2050年、100億人にせまりますから」

 「いまさら20億や30億人増えたところで、どうってことないさ。
 人類は2すでに、人口増時代の食糧問題を乗り越えてきた。
 こんども乗り越えるだろう。
 おれたちの子や、孫のたちが・・」
 

(42)へつづく