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孤独だ、こんな孤独があってたまるか。私だけが正常なのか、私以外が正常なのか。正常とは何か、多数決か。排他的に不貞腐れた精神の生温い泥沼の中に死ぬまで浸からなくてはならないのか。大学出がなんだ、中卒出がなんだ。与えられたものしか出来ない探求心を失った思考放棄人と、与えられたものも出来ない知識放棄人、そう言いたいのか。どこに出ようと何をしていようと人生を己で考えることができないであれば等しい沼だ。社会というものはあらかじめ人のためにあるものではなく、偶発的に生まれた副産物であり、適応云々ではない。思考をする動物がなぜ効率的ではない方向に進もうとするのだと吠えたてたいのだが、それこそ思考をする生物であるという裏付けになるのだということに気づき、ならばいっそ思考停止になる方が余程マシである。
あてのない怒り、何に対して怒り、何に対して宣戦布告しているのか。己だけが良いという上級国民か、多分そうだろうな。世界は変わらないが、見方は変わる。それは全く以て都合の良い資本家の手先である。人類はいかれている。金がなんだ、金はなんだ。しかし結局私もそこに依存するしかないのは承知であり、私はそのことについて怒り心頭なのかもしれない。社会の在り方について怒っているのかもしれない。全人類が各々幸せのためにと尽力すればたったの半世紀で世界の在り方は変わるというのは確信している。しかし、日本という、国という排他的な空間でそれを我の物だとテリトリーを強調しているならば、いかに地球のためと言おうと利益という最も恐ろしい毒に毒されてしまって何も始まらない。宇宙という人類が考えている以上の広さを持つこの世界の中で、たった地球ぽっちの中の一国を主張するのはあまりにも滑稽で、それはアリがここは俺のエリアだと巣をコンクリートの隙間に作り始めるのと同じくらい規模の小さい話である。我々人類はそれに税金をかけるだろうか?不法侵入だといって捕まえるのだろうか?はたまたアリだからとほっとくであろうか。後者であろう。
自己顕示欲、己という個人を称賛させるなんとも言葉も見つからぬ酷い欲である。
それぞれ理に適っている三大欲求、それに比べなんだ自己顕示欲や自己承認欲というものは。人間が二足歩行をした産物が脳の発達というのならば、これらの欲を造り上げた脳は失敗作である。
作品名: 作家名:茂野柿