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おれに言わせれば、居木井警部を、
 
   *
 
遠藤弁護士に言わせれば、ちょっと思い込みの激しい……。
 
   *
 
とあなたが言ってるところが、全部が全部、遠藤の作り話をあなたが事実と思い込んでるだけじゃないのかという気がしてならないところなんだが、ねえ、だからその〈第十九次請求〉って、《居木井警部は五聖閣の占いで》という話を甲斐文助が雑誌なんかに書いていた、つーもんなんちゃいまんのか。それが通らないようなら日本の司法はおしまいだと、机叩いて言っちゃってるということなんちゃいまんのか。ははは。としたらオーケンさん。おれに言わせりゃ、そいつはちょっと、思い込みが激しいよ。
 
そんなもんが通っちまったらその方がずっとずっとおかしいのだから、その十九次がダメだったのはとても正常なことなのです。
 
――と、さて文書の爆弾と言えば、もうひとつ皆さんに見てもらうことにしましょうか。おれの手元に、
 
アフェリエイト:治安崩壊(中古本)
 
という本があり、著者の北芝健という人が遠藤誠と会って話したことを書いてる。たぶんこんなのただ引用しただけでは信じてもらえないかもだから、ページをスキャンしてお目にかけるが、
 
画像:治安崩壊201-202ページ
 
こうだ。オーケンや松永憲生の眼に映るのとは、まるで逆の人物がいる。
 
まあ、もっともおれの眼には、オーケンの『人間革命』を読んでもこれとまったく同じ人間が見えるわけだけれども、まるで『ウルトラセブン』第8話『狙われた街』のメトロン星人でしょう。遠藤はオーケンとの対談で、
 
   *
 
僕の友人のある検事とだいぶ前飲んだ時ね、彼が言ってたんですよ。「遠藤さん、われわれ検事が自白調書を取ろうと思ったら、どんな人間からでも取る自信がある」って言うんですよ。「やっていようがやっていまいが、そんなのは関係ないんです」って言うんですよね。それを聞いて僕はゾーッとしたね。現実にそうなってるって。
 
   *
 
と話してオーケンは、「ほぉー、洗脳しちゃうわけですね。簡単に言うと」などと簡単に応えた。しかしどうだろう。このふたつはある意味同じ話と言えるが。
 
出展を明示してるのだから、おれが嘘をついているかどうかは調べりゃわかる。『それでもボクは』の家宅捜索ビデオの話と同じだ。おれの場合は、「それは北芝健が書いてて」と応えて「ほら、ここ」と言える。
 
けど、遠藤誠の話は、「それは友達にもらって」と同じだよね。誰も名を問い質してその検事に裏を取りに行けないのなら、どんな嘘でもつき放題だ。「まさか起訴すると思わなかった」の話とも同じ。検事が決してそういう意味で言ったのでなかったとしても、聞いた人間が誤解して取るよう歪めて話すことができる。
 
なのに遠藤の言う事だからと無条件に信じるようなら、あなたは遠藤に洗脳されてる。そんな話は前にも書いたね。北芝健を信じろと言う気もおれはないですけど、それで明日をちゃんと捜し出せるんですか。
作品名:端数報告 作家名:島田信之