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法廷でタマゴを投げてみませんか


 
皆様ぁ――っ!! ズドラーストビチェ! ロシア語で「久しぶり」ってなんて言うんでしょうね。『帝銀事件はヤバかろう』、シーズン2の始まりであります。
 
……なんだけど、待ってた人はいるんかいな。こっちはこの事件について、書きたいことはまだまだたくさんあるんですけど。
 
なんと言っても平沢が犯人だという最大の根拠、《事件直後に手にしていた大金》の話をしてないし、アリバイの話もちゃんとしてないし、青酸パリダカラリーについてもまだまだ言いたいことはある。小切手の筆跡の話もしてないし、諏訪以外の容疑者の話、1948年の世界情勢、GHQの対朝鮮政策などなど、おもしろい話は山ほどあって、おれ、この事件を元にして小説書いてみたいと思ってるとこなのでありんす。おれの『コート・イン・ジ・アクト クラップ・ゲーム・フェノミナン』みたいなやつをね。もちろん平沢が犯人で。
 
クラップ・ゲーム・フェノミナン [電子書籍版]
https://books.rakuten.co.jp/rk/c4c936f145e636b5b3a9d0fee0752ce7/?l-id=item-c-seriesitem
 
シリーズ全話の無料試し読みはこちら
 
コート・イン・ジ・アクト試し読み版 [電子書籍版]
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……なのであるけど、でもその前に、帝銀とは直接関係ない話をしばらくしようと思います。直接関係ないけれど、間接的には関係がある。そういう話でありますから、よろしければお付き合いのほどを。
 
帝銀事件と言えば裁判。「平沢貞通氏は冤罪だ――っ! 無実の人は無罪にしろ――っ!!」という話でもありますね。だからそういう話ですが、これは読書ブログですから、本の話をいたしましょう。まずお見せするのはこれだ!
 
アフェリエイト:裁判狂時代(電子書籍)
 
2004年に単行本発売、2007年文庫化。大川興業所属の芸人にして大の裁判傍聴マニアである人物の書いた《喜劇の法廷★傍聴記》というものである。〈楽天コボ〉の商品説明には、
 
   *
 
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「石原裕次郎の弟」を自称する窃盗犯、エロに暴走する検察官、極刑を望む痴漢など、法廷では日々、実にリアルな人間ドラマが炸裂している。新聞やテレビ報道では決してわからない事件の裏側を、「傍聴ブーム」の火付け役が独自の視点で活写。究極のオモシロ裁判全二十五編で、今日からあなたも傍聴マニア。
 
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
阿曽山大噴火(アソザンダイフンカ)
1974年、山形県生まれ。本名・阿曽道昭。大川豊興業所属。99年のオウム裁判をきっかけに傍聴に興味を持ち、それ以来通った法廷は8000を超える。現在も週に5日は東京地裁に出没、その成果をテレビ・ラジオ・ウェブサイト・ライヴ・雑誌などで発信中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
   *
 
と書いてあり、非常におもしろい本です。お勧め。
 
本文の最初のページを開いてみると、
 
   *
 
 大川興業の総裁から「オウム裁判を傍聴するから、新人は全員抽選に並べ」という命令が下り、イヤイヤ裁判所に行ったのが一九九九年五月二十七日。(略)
 それで総裁が「おまえは坊主頭だから傍聴しといたほうがいいだろう」なんて言い出したもんだから、僕もオウム裁判を傍聴することになっちゃった。いま考えると意味不明の理由なんだけどね。
 (略)
 でもいざ始まってみると、これが面白いのなんのって。(略)
 
  *
 
というわけで裁判所に通い、本を何冊も出すまでになる。これがその一冊目なんですが、
 
  *
 
(略)私・阿曽山大噴火が、これ以上噛み砕けないくらい親切な「裁判傍聴のススメ」を作成してしまおうと思うわけなんですよ。この本を片手に裁判所へ行けば、簡単に裁判傍聴ができてしまうって仕組みです。
 
   *
 
と言って、ちょっと長く引用しますが、
 
   *
 
 僕が行き慣れている東京地裁を例に挙げて説明しましょう。
 (略)
 自動ドアを二つ開けて建物の中に入ると、そこに警備員が数人立ってます。
「入り口で持ち物検査をやっておりますので」
 と言われるので、バッグやウエスト・ポーチ、携帯電話などを渡します。空港の持ち物チェックみたいなもんですね。
 荷物はベルトコンベアに載せてモニター・チェックを受けます。ここで引っかかる人は一度も見たことないですね。ちゃんとチェックしてるんだろうか。で、人間のほうはゲートをくぐって(これも金属探知機になってる)、持ち物チェックはすべて終わり。身分証明書の提示などは求められません。これで入場成功! 簡単でしょ?
 ただ、ゲートをくぐるときに金属探知機が反応してキンコンキンコンと鳴ると、これがちょっとやっかいなんだよね。
 警備員に「ちょっとすいません、ポケットの中の物出してください」と言われて、ハンディタイプの金属探知機で身体中調べられます。持ち込みが禁止されてる録音機とかカメラとか、はたまた凶器なんか持ってたら大変だからね。
 でもほとんどの場合ベルトのバックルやライターが原因なんで、ここで止められてる人は珍しくないんだよ。だからもしキンコンキンコン鳴っても焦ることはありません。
 一回僕も大変な目に遭ったんだよ。ゲートをくぐった途端「キンコンキンコン」って。たちまち警備員に取り囲まれて「すいません、ポケットの中を」、とチェックされたんだけど、結局飴玉の包み紙以外何も入ってなかったんだよ。いつもスカー卜だからベルトもしてないし。
「あれ、おかしいな? もうちょっと調べろ」とかなり疑われていろいろ調べられたんだけど、金属物が出てこないんだよ。警備員の一人が「もしかしてこの靴、安全靴じゃない?」って言うので、「あ、そういえばそうでした」と。靴の爪先に入ってる鉄板が反応したみたいだね。
「なんだよー」なんて、ホッとしてみんなで笑ってたんだけど、そのあと安全靴をその場で脱いで、靴下のままもう一回ゲートをくぐらされたからね。原因が分かったんならそこまでやらせるなよ。そんなに僕は怪しかったのかなあ。
 ま、この持ち物チェックはそんなにしっかりしたもんじゃないね。別の日に同じ靴を履いて行ったら、今度は金属探知機が反応しなかったからね。厳重なチェックの割には適当な感じですよ。
 
   *
 
という具合に傍聴の基本を教えてくれてます。この本は電子書籍版が〈楽天コボ〉のアプリで冒頭試し読みが可能。ここに引用した箇所はそこに含まれていますので、上のリンクからご確認ください。
 
作品名:端数報告 作家名:島田信之