端数報告
という証言だったことをごまかさずに書いている。事実関係に嘘はなさそう(と言うか、セーチョーがこれを書いた時代にはまだ嘘がつけなかった。その後に若者達が「Don't trust over 30」と叫ぶ時代があったため、アリバイ・指紋・目撃証言なんかについていくらでも事実と異なることが言えるようになったんじゃないか)なのでだからこの本もお勧めですが、しかし推理パートとなると……。
これがねえ。トム・クルーズとスピルバーグの『マイノリティ・リポート』が、追跡アクションだけなら見て面白いけど、「陰謀を暴け」なパートがとにかくイカレてて、到底見られたもんじゃないのと同じような。それでも私がいちばん勧めるならばこの『小説帝銀事件』ですので、もし興味を持たれましたら読んでみて自分の頭で考えてください。《みんながみんな無実と言うなら無実だろう》なんていう、おれも昔は思ってしまっていたようなんじゃなくてね。あと、それから私が書いた次の〈本〉もよろしければ。
コート・イン・ジ・アクト [電子書籍版]
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