北へふたり旅 16話~20話
「プレートとスクリューをつかい、折れた部分を固定します。
次の日から手を動かすことができます」
「手を動かすことができる?。ホントですか先生!」
「はい。そのため、手術の次の日からリハビリをはじめることができます」
「治りが早いということですか?」
「早く治るかどうかは、本人の努力次第です。
しかし。失礼ですが、年齢が年齢ですので、若い人たちのような
回復の早さは、のぞめないと思います」
「ゴルフをすることが、できますか?」
「奥さん。
ゴルフで怪我したんでしょう?。
あはは。まったく懲りていないようですね。
大丈夫です。
チタン合金で接続しますから、前よりはるかに丈夫になります」
「チタン合金?。ドライバーの素材と一緒ですねぇ。
びっくりです。
完治したら、取り出す必要がありますか?」
「素材は、半永久的に大丈夫です。
違和感を感じるようでしたら、のちに取り出すことも可能です」
「痛い思いを、2度もしたくはありません。わたし」
「ではそのままにしておいてください。
わたし、手術は上手です。
自分で言うのもなんですが、これまで1万回の手術をこなしています。
傷跡も綺麗なものです。
あんしんして、どうぞ、わたしに任せてください。
けして後悔させません」
(19)へつづく
作品名:北へふたり旅 16話~20話 作家名:落合順平