北へふたり旅 11話~15話
北へふたり旅(14) 第二話 チタン合金 ④
3ホール目は、打ち下ろしのミドルホール。
パー3をショートホール、パー4をミドルホール、パー5を
ロングホールと呼ぶのは、じつは日本だけ。和製英語だ。
アメリカでは、「パー5にしてはショートホールだ」
長いパー3を「パー3なのにロングホールだ」と表現する。
アメリカ風に言えばパー4の、「長すぎるミドルホール」へやってきた。
目の下にフェアウェイがひろがる。しかし、グリーンは見えない。
フェアウェイが山裾の左へ回り込んでいるからだ。
このコース最大の難所。
距離450ヤード。モンスター回廊の異名を持つ名物ホール。
(プロゴルファーじゃあるまいし、素人に、450ヤードは長すぎる)
いつもそう思いながら、ここへ立つ。
2つで乗せようと思うと、無理が出る。
距離を欲しがる下心が力みとなり、ドライバーの軌道を狂わせる。
芯を外したボールは飛ばない。
こんなときほどおおきく、ゆったり振るべきだ。
3つで乗ればいい。
その想いとタイミングが、ボールを安全な位置へ運んでくれる。
作品名:北へふたり旅 11話~15話 作家名:落合順平