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ふしじろ もひと
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novelistID. 59768
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『封魔の城塞アルデガン』第1部:城塞都市の翳り

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「魔物たちがこの地に封じられて年月がたつうちに諸国からの援助が途絶えがちになってきているのは知っているわね。アルデガンへの物資の援助や人材の派遣は今ではこの地に接する北部地方に限られ、私たちはすっかり守勢にまわって洞窟の掃討どころか洞門を守るのがやっとという状況になっている」
 リアは頷いた。父ダンカンもまた洞門を守る闘いで部下を庇い命を落としたのだ。
「西部地域の内乱は収まることを知らず、南部にも不穏な動きがあるわ。このままでは遠からずアルデガンは破られてしまう。大司教閣下は諸国の状況を見てこいと、そしてアルデガンに、ひいては私たち人間すべてに危機が迫っていることを訴えるようにとおっしゃったのよ」
 アザリアは教え子の手を取った。
「いっしょに来なさい、リア。私たちが守っているものが何かを知るために。あなたならその真実から、自分が戦う意味をきっと見い出せるはずだから」