オヤジ達の白球 81話~最終話
オヤジ達の白球 (82)熊の本音
「失敗を取り返すための舞台はととのえた。
けどよ。このチャンスを生かすも殺すも、あとは坂上のがんばり次第だ」
「なるほど、熊。おまえさんの気持ちはよくわかった。
ひとつだけ聞く。いまの坂上は、Aクラスの消防チームに通用するか?。
勝てるか今夜は?。坂上で」
「監督。勝ち負けは関係ねぇ。
逃げ出さずなにが有ろうが歯を食いしばり、最後まで投げることが大切だ。
坂上も、それを充分に自覚しているはずだ」
「何が有っても今夜は、最後まで坂上を投げさせる、ということか」
「野手は、投手の背中を見ながら守備につく。
言葉はいらねぇ。
四球を出そうが、ヒットを何本打たれようが関係ねぇ。
投手は3つのアウトを取るまで、ひたむきに投げることが大事だ。
そんな風に投げてる投手の背中を見ているうち、
野手もなにかを感じるとる。
坂上のために勝とうと思うようになる。
そのときはじめて、野手の気持ちがひとつになる。
チームワークってやつは、そんな風にして生まれるくる。
ソフトボールは、9人でおこなうスポーツ。
何点取られてもいい。大量点を取られて負けてもいい。
ゲームセットのときまでマウンド上へ、坂上がいればそれでいいんだ」
作品名:オヤジ達の白球 81話~最終話 作家名:落合順平