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小さな世界で些細な活動にハゲむ高校生たち 3

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「いつかは気づくじゃん、探しても無駄だって。そしたら探すのやめるでしょ」
「やめない」
「なら一生苦しめば? あたしは壊すの、楽しいから」

 遊歩道をスタスタと歩き去る三智。俺は、追いかけない。

「くそっ」

 コンクリートの地面を蹴る。小さな砂埃がちょっと散る。
 俺の中にある、生きている目的や意味に対する解。それは、「なんか生きてる」というものだった。問いの答えになってないもので、でもそれが一番しっくりきていた。今日まで。
 でも、茶波ちゃんの登場によって、茶波ちゃんを勇気づけたいと思った。彼女は寂しそうで、生きる希望を捨てたいと考えている。それを踏みとどまらせたい。自分勝手と分かりながらも、希望を捨てないでほしいと強く思う。絶対に、捨てさせない。
 こんなに強い思いを持ったことなんて今まで無かった。こんなに強い思いなのは、これが生きる目的だからだと思う。
 俺も生きる希望を持っているかと言われると、希望なんてキラキラしたものを持って生活しているとはいえない。花瓶の水換えや草引きでその日その日を彩る生活。そんなののどこに、希望を見出せるというのか。無理だ、そんなの。
 そんな俺でも、茶波ちゃんが希望を捨てる前に彼女に言いたいことはある。聞いてくれないかもしれないし、バカだと罵られるかもしれない。けど、なんとかして、最終的には希望を捨てるのをやめるという決意をしてほしい。
 一陣の風が、海の方から吹いてきた。急速に顔が冷える。冷凍庫の風かっての。
 寒すぎて、思わず吹いて来た方向を見る。

「……あ!」

 浜辺に、茶波ちゃんを発見。

「茶波ちゃん! また付いて来てたんだよな?」

 振り返った茶波ちゃんは、にこっと笑って、言った。

「ありがとう、マサ樹くん」

 黄緑色に光る右手を胸に当て、それを左手で隠すように抱きしめて。