オヤジ達の白球 76話~80話
「道路はすっかり片付いた。
残った問題が、過疎集落の孤立だ。
山間の集落が大雪のため道路が寸断されて、孤立した状態が
いまもつづいている。
いまはそっちで陣頭指揮だ」
「道路の次は孤立集落の救助か。たいへんだな。
県の総合土木職という仕事も」
「だがここだって、俺が居なきゃ困るだろう。
ビニールハウスの解体をしっているのは、俺だけだ。
総合職の前は、農業普及所勤務で県内の農家を飛び回っていたからな」
「そいつはありがたい。
だが、強い味方がもうひとりいる。北海の熊だ。
やっこさんは会社で、ビニールハウス撤去グループの責任者に
任命されたそうだ」
「それは好都合。
じゃ北海の熊と手分けしてチームを、解体班と仕分け班の2つにわけよう」
「2つにわける?。どういう意味だ?」
「これだけの人数がいれば、ビニールハウスの解体と、
部品の仕分けが同時に出来る。
捨てる部材もある。だがあとで使える部品もけっこう有るからな」
「おいみんな。こっちへ集まってくれ」
柊が、全員にむかって大きな声を出す。
「内野の選手は俺の前へ。外野の選手は北海の熊のほうへ集まってくれ」
内野の選手たちが、ぞろぞろと柊の前へ集まって来る。
作品名:オヤジ達の白球 76話~80話 作家名:落合順平