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オヤジ達の白球 76話~80話

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 「内野の諸君の仕事は、解体の現場から出てくるさまざまな部品の
 選別と管理だ。
 ビニールハウスは、いろいろな留め具で出来上がっている。
 溶接されている箇所はひとつもない。
 パイプをはじめすべての部品が、留め具によって接合されている。
 つまり接点の数だけ留め具の部品が有ることになる。
 変形した留め具は使えないが、無傷なら再利用することができる」

 「なるほど。
 ビニールハウスを再建するための部材が、極端に不足している
 という話は聞いた。
 そういうことか。
 使えるものはすべて再建のために、選別してストックしておくんだな」

 「そういうことだ。
 変形したパイプは使えない。
 しかし原型をとどめたものや、無傷のものは再利用できる。
 内野の君たちは、リサイクル班としてすべての部品の選別と管理にあたる」

 熊の前へ、外野の選手たちが集まる。

 「外野のおれたちは、解体班だ。
 これからみんなに作業用の道具を手渡す。
 マイナスのドライバーと金づち、ビニールを切断するためのカッター。
 つかうのはこの3つの道具だけだ」

 「シンプルな道具ばかりだな。
 解体のための道具が、いろいろ必要だとばかり思っていたが・・・」
 
 「これで十分さ。
 建てるときは、金づちひとつで充分だからな。
 ビニールハウスは昔は農家が、農閑期にみずから
 手仕事で建ててきたからな。
 難しくはない。しかし、手順を間違えるとやっかいなことになる。
 解体の手順を説明するから、耳をかっぽじってよく聞いてくれ」

 「メモをとる必要があるか?」

 「それほど難しくはねぇ。話を聞くだけで十分だ。
 ただし安全を確保するため現場へ入るものは、
 全員ヘルメットを着用してくれ」

 全員にヘルメットと軍手が渡される。

 「了解だ。じゃ俺たちは、何から手を付けたらいいんだ?」

(77)へつづく