小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

オヤジ達の白球 76話~80話

INDEX|12ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 


 「なんでぇ。
 気分よく呑んでいたというというのに、面白くねぇな。
 つまらねぇ話を持ち出しやがって。
 そういうことなら、せっかくのリベンジ試合だ。
 坂上のやろうを探し出してきて、あいつに投げさせればいいだろう。
 畜生め。頭にきた。
 おれは、消防のリベンジ試合じゃ投げないからな。
 面白くねぇ。帰るぜ、大将!」


 テーブルの上に5000円札をドンと置き、北海の熊が立ち上がる。

 「2度と坂上の名前を俺に聞かせるな!。
 おれはな。なにがあろうと、責任を取らねぇ男は大嫌いだ。
 そんな男の顏は、2度と見たくねぇ。
 あいつに投げさせるというのなら、おれは、このチームから出ていく」

 ガタンと派手な音をたてて、ガラス戸が閉まる。

 (おっ・・・ようやく春が来たというのに、
 いきなり窮地がやって来たぜ・・・)

 のんべェたちの手が止まる。
全員の目が北海の熊が消えていったガラス戸に集まる。
しかし。いつまで待っても熊は戻ってこない。
それどころか、表で思い切りバケツを蹴飛ばした熊が、
足音をあらげてズンズンと遠ざかっていく。

 (あらら・・・本気で腹を立てたようすねぇ、北海の熊さんは)

 ピンクの割烹着の陽子が、熊が消えたガラス戸をじっと見つめる。
大雪の日からやがて1ヶ月。
男たちの記憶の中から、バレンタインの日の記憶がすこしづつ消えかかる頃、
思いがけない難題が、居酒屋のチーム内で勃発した。
いきなりのピンチだ。どうする・・・大将・・・

 (80)へつづく