オヤジ達の白球 76話~80話
オヤジ達の白球 (79)春がきた
大雪の日から1ヶ月。
3月なかば。群馬に春がやって来た。
枯草ばかりが目立った堤防に、ポツポツと新芽がひろがっていく。
風向きも変わる。
北から吹いていた風が、南のあたたかい風にかわる。
ソフトボール連盟の定期総会の日がちかづいてきた。
定期総会まであと一週間。
思いがけなく消防チームから、リベンジ試合の申し入れがやってきた。
「若いのが性懲りもなく、リベンジ試合をやりたいと申し入れてきた。
懲りねぇ奴らだ。また返り討ちにしてやろうぜ」
「そうだな。
去年より、はるかに戦力がアップしているからな。
柊より強力な4番バッターがいるというのに、まったく呑気なやつらだ。
そういえば、バッターは増えたが投手は減ったままだ。
どうしているんだろうな、いまごろ。
消防の試合で敵前逃亡した、坂上のやつは?」
作品名:オヤジ達の白球 76話~80話 作家名:落合順平