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オヤジ達の白球 71話~75話

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 「解体できるのか?。おれたちいみたいな素人にでもか?」

 「ビニールハウスってやつは、簡単にできている。
 高いところが苦手でない限り、誰でも建てることができる。
 大工仕事のような専門の道具も必要ない。
 ひと昔まえまで、農閑期に、農家が自分で建てていたくらいだからな」

 「素人でも、解体はできるということか」

 「手順を間違えなければ、解体することはできる。
 だがつぶれた現場は危険だ。めちゃくちゃだ。
 捨てるものもあるし、再建するときのために残しておきたいものもある。
 そういうものが混雑している。
 パイプは鉄。継ぎ手の部品も鉄。だが中には、
 アルミの部品も混じっている。
 やっかいなのは屋根をおおっているビニールだ。
 ゴムとビニールの紐も厄介だ。
 これらは産業廃棄物になる。
 家庭ゴミとして勝手に処分することはできないし、燃やすこともできない。
 産廃業者に引き渡し、適切に処理してもらう必要がある」

 「なるほどな。状況はよくわかった。
 そういうことなら熊。おまえ、優先的に慎吾のハウスを
 撤去してくれないか。
 解体チームの責任者なんだろう。
 そのくらいの便宜、何とかなるだろう」

 「大将。無茶を言わないでくれ。
 被害を受けた農家は、慎吾だけじゃねぇ。
 このあたりで、250棟から300棟のハウスが倒壊している。
 どこから手を付けたらいいのか、先頭に立ったJAだって
 頭を悩ませているんだ!」
 
 「なるほど。
 産廃なら知っている業者がいる。その人へ頼めばいい。
 高いところが苦手でない素人なら、つぶれたハウスを解体することが
 できるのか。
 ということは私たちでも、ハウスを解体できるという事だね」

 陽子がそういう事よねぇと、つぶやく
 

 (74)へつづく