オヤジ達の白球 71話~75話
オヤジ達の白球(74)ボランティア
「そうだよな。こんなことは、はじめて見た」岡崎がつぶやく
「朝起きたらよ。
ビニールハウスが潰れていた。信じられない光景だった。
悪い夢でも見ているのかと思った。しかし夢じゃねぇ。
目の前でおきている現実だ。
しかもひとつじゃねぇ。
見える限りのビニールハウスが倒壊している。
こんな光景、俺は生まれて初めてみた」
あるんだな、こんなことが、あまりの光景に心が痛んだ、とつぶやく。
「何かできないかと考えた。
だがよ。どうしたらいいのかわからねぇ。
もどかしい気持ちが堂々巡りしているだけで、いい考えなんか
浮かんでこねぇ。
だけど、いまのあねごのひとことで、やっと気がついた!」
「おれも同感だ」消防上がりの寅吉が座り直す。
作品名:オヤジ達の白球 71話~75話 作家名:落合順平