オヤジ達の白球 71話~75話
オヤジ達の白球(73)男たちのバレンタイン
午後7時。男たちが集まって来た。
さいしょに顔を出したのは北海の熊。遅れて消防上がりの寅吉がやって来た。
さらに5分後。岡崎が、作業着のままやってきた。
いつものように自分の席へすわりこむ。
「あねご。とりあえずビール!」
「呑むのか、やっぱり。あんたたちは、こんな日だというのに」
「そういうな、姐御。
呑まずにやっていられるかよ。こんな日だからこそ、
よけい呑みたいんだ。」
「チョコレートはあげないよ。こんな日だからね」
「わかっている。そのくらいのことは。
野暮は言いっこなしだぜ、姐御。緊急事態のど真ん中だ。
姐御のチョコレートを、のんきに頬張っている場合じゃねぇさ」
作品名:オヤジ達の白球 71話~75話 作家名:落合順平