火曜日の幻想譚
27.永遠を泳ぐ
鏡を向かい合わせにして、片方の鏡に飛び込んだ。
突き抜けた先は、何も変わらない世界。すぐさま振り返り、もう片方の鏡へと飛び込む。そこも、何も変わらない世界。
そうやって、向かい合わせの鏡の奥へと、この身を投げ込ませ続ける。13番目? 死に顔なんてありゃしない。100番目? ただの通過点だ。
気が遠くなるほどの時間をかけて、鏡の世界の奥へ奥へと忍び寄る。飛び込んだ先の世界は、現実と寸分の狂いもない。
永遠のその先にある何も変わらないその世界で、僕は朽ち果てよう。