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火曜日の幻想譚

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62.睡眠薬と星空



 深夜、睡眠薬を飲んで横たわる。線路を枕にして、満天の星空を眺めながら。

 眠りに落ちるのが先か、後頭部から轟音がひびいてくるのが先か。やがてとろとろと星空が膜を張るころに、ごうごうとうるさい音が鳴り響きはじめる。

「こっちが先だったか」

 そうつぶやいて、スッと起き上がり退避する。がたんがたんと重々しい金属音を鳴り響かせ、電車が通り過ぎていく。

「次はどっちだろう」

 再び線路に横たわる。

 星空を眺めながら、次こそは電車が轢断してくれることを心待ちにして。


作品名:火曜日の幻想譚 作家名:六色塔