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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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魔導士ルーファス(2)

INDEX|73ページ/104ページ|

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 白銀の美しい毛に包まれた霊竜ヴァッファート。
「それに無駄な血は流すことはない……あのとき、触れてみてわかったでしょう?」
「愚かな過ちを犯した、今ではそう思っている。あの剣には祖父の魂が宿っていた、封印から解放された剣がすべてを教えてくれた」
 地竜の額には大きな傷痕があった。すでに治っているが、痕は残りそうだ。
 ヴァッファートは教師のようにうなずいた。
「わかればよろしい。ならアンタの隠してる財宝の一部を渡しなさぁい!」
「なぜだ?」
「アンタが起こした顛末の損害賠償に決まってるじゃなぁ〜い!」
「人間っぱいな……あんた」
「国の守護者である前に人間が好きなの」
 2匹のドラゴンは気配を感じて振り返った。
 唖然とする男の姿。
「……貴様は!」
 叫んだのはハガネスだった。
 神々しいまでに凜としたヴァッファート。
「人間よ、慌てるな。まずは客人としてそちに茶でも振る舞おう」
「あァ?」
 あまりの事にハガネスは呆然とした。
 地竜にも今や殺気の欠片もない。ハガネスと見つめる瞳に鋭さはなく、どこか呆れているようにも見える。
「あんた方向音痴か?」
 そんな質問をされるなんてハガネスは思いもしなかった。
 雪が溶けそうなほど、なごやかな笑い声が響き渡った。
 戦いを終えた男たちは、酒を酌み交わして友となる。
 ……ヴァッファートはオカマだが。

 第16話_伝説のドラゴンスレイヤー おしまい