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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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魔導士ルーファス(2)

INDEX|70ページ/104ページ|

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「よかった。魔法防御で電撃も衝撃変換されるかと思ったけど、なんか平気だったみたいだね(鎧を通した間接攻撃だからかな? それとも魔法防御は物理のみ有効?)」
 ナイトは立ったまま動かない。甲冑が重いので倒れもしないが、たぶん気絶しているだろう。
 ルーファス勝利!
 しかも今度は運ではなく、作戦よる実力での勝利だ!
 まあ、ロッドを手に入れたのは運だったけど。
 さっそくビビはナイトからシールを奪おうとした。
「あうっ!」
 甲冑に触れたビビがすぐに手を離した。
 すぐにルーファスが駆け寄る。
「ダメだよ、しばらく放電させないと」
 そう言いながらルーファスは靴を脱いで手にはめた。不導体で絶縁しながら甲冑に触れるためだ。
 顔を赤らめたセツが心をときめかせる。
「惚れ直しそう(嗚呼、やっぱりルーファス様って、やるときはやってくれる!)」
 ルーファスの横でビビがはしゃいでいた。
「ルーちゃんすご〜い、頭イイんだね!」
「常識の活用だからたいしたことないよ」
 謙遜するルーファスを見て、セツの心はさらにヒートアップ!
「あぁン、好き……大好き(はぁと)」
 だが、次の瞬間にはセツは溜息をもらしていた。
 悪戦苦闘するルーファスに姿。靴では甲冑に張られたシールがうまく剥がせない。そりゃそーだ。
 それでもやっとの思いでシールを剥がし、さらに甲冑を脱がせてほかのシールもないか探した。
 トランクス1枚になった男を見てビビがクスッと笑った。
「ガリガリじゃ〜ん!」
 ナイトの中身は骨皮だけしかないような痩せた男だった。こんな男じゃ重鎧で動けるわけがない。
 そして隈無く探した結果、獲得したシールは2枚だった。
 ビビちゃんはちょっとご立腹。
「ええ〜っ、2枚しかないのぉ〜」
 3人では割れない数字だ。1枚は功労者のルーファスがもらうとして、残り1枚が問題だ。
 力強くセツが前に出た。
「これはわたくしがもらうべきでしょう。なぜなら、ビビよりもすでに多く獲得しているということは、それだけ予選通過の可能性があるということです。もっと言わせてもらえば、ビビが持っている分もわたくしに渡すべきです」
「はぁ〜〜〜っ、なに言っちゃってんの!? ズルイズルイーっ、これからアタシが巻き返すかもしれないじゃん!」
 こんなところで仲間同士のケンカをしている場合じゃない。
 すぐにルーファスが割って入った。
「ちょっと待った、今全員が持ってる分を均等に分けようよ。まだ時間はあるんだし、全員分が集まらなかったら、そのときに調整すればいいし、ひとりが負けて奪われたときの損失も考えてさ、ね?」
「ルーファス様がそうおっしゃるなら」
 あっさりセツが承諾。
 全部で17枚。また3で割れないが、余りはルーファスが持つと言うことで話がついた。
 ルーファス→7枚→7枚
 セツ→5枚→5枚
 ビビ→3枚→5枚
 結局、今手に入れた2枚がビビの元へ。セツは配分してから、納得してないような顔をしているが、ルーファス様の決めたことだ、口に文句は出せない。
 ここまで健闘を見せる3人。とくにルーファスは大穴だろう。
 そして、4人目がいる。