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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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魔導士ルーファス(2)

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「おれを知らないだと、さては田舎もんだな! 覚えておけ、〈赤っ鼻のボンジョボン〉とはおれのことだ。おれは強い強いんだぞ、よし剣を抜け、かかってこい、〈地鳴りの大狼〉さんよぉ、おまえの背中のでっけえ剣は飾りか?」
 挑発されてもハガネスはシカトを決め込んだ。
 ついにボンジョボンが剣を抜いた。
 酒場での決闘がついにはじまるのかっ!?
「かかって来いってつってんだろ坊や!」
 叫んだボンジョボン。
 抜かれた剣が木のテーブルに叩きつけられ、真っ二つに切断された。乗っていたグラスが宙に跳ね上がり、中身がビビの顔に掛かった。
「きゃっ(……あ、アップルティー)」
 ハガネスが飲んでいたのは酒ではなく、アップルティーだったのだ!
 というのは置いといて、やむなく立ち上がったハガネスは、荒んだ鋭い眼でボンジョボンを似た見つけた。
「…………」
 だが、なにも言わない。
「なんか言ったらどうだ、やり返してこねぇのかおい!」
 ボンジョボンは切っ先をハガネスに向けながら挑発してくる。
 調子にノっているボンジョボンは、さらになにをしてくるかわからない。
「マズイよこれ、どうにかしなきゃ」
 ルーファスは不安顔でつぶやいた。
 しかし、
「ケンカを売られたのはわたくしたちではありませんし」
 と、あっさり言い放つセツ。
「(雇い主として彼の実力も見ておく必要があります)」
 セツはそういうことを考えていた。
 動向を見守る二人――を見て、ビビは前へ出た。
「よぉ〜し、ここはアタシがガツンといっちゃうよぉ!」
 なんだか張り切っちゃってるビビちゃん。
「待ちなさい」
 セツが腕を伸ばしてビビの行く手を遮った。
 ボンジョボンがハガネスに斬りかかった!
 ついにハガネスが背中の大剣を抜くかッ!?
 すってんころりーん!
「ふげぼっ!」
 奇声をあげたボンジョボンが床に落ちていたグラス(テーブルを叩き割ったときに落ちた物)を踏んでコケた(自業自得)。
 うつ伏せで大の字になったボンジョボンは動かない。
 遠くから声が聞こえてくる。
「おまえたちなにをやってる! 会場でのケンカは御法度だぞ、大会出場者なら即出場停止に処分にしてやる!」
 どうやら大会関係者か警備の者だろう。
 いち早く動いたのはセツ。ルーファスの腕を引いた。
「逃げましょう!(ここで捕まったら大会に)」
 スタコラサッサと?4人?は逃げた。