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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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魔導士ルーファス(2)

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 ユーリは素早く靴を脱いで投げた!
 もちろんパンツルーファスごと。
「ぎゃあああ!」
 ルーファスの叫び声でララが飛んでくる靴に気づいた。
 そして振り向いた瞬間、ゴン!
 ララの顔面に靴がヒットした。
「マジいった〜い! くっさいクツ投げたのだれ!」
「臭くないから!」
 すぐにユーリは否定した。
 ララの周りにマナフレアが集まる。
「クツのお返しに、あんたは男物ブリーフに変えてやるんだから!」
「そ、そんな恐ろしいことしたら訴えてやる!」
「デパンっあぅ!」
 急にララが変な声をあげた。
 ぷにぷに♪
「きゃっ!」
 小さく悲鳴をあげたララは慌てて自分のお尻を見た。
 そこにはなんと可愛らしい手がぷにぷにとしているではないか!?
「これで願い事叶えてくれるんだよね?(ふにふに)」
 その空色のドレスを確認してユーリが叫ぶ。
「愛しのローゼンクロイツ様!」
 なんと最後の最後で突如現れたローゼンクロイツ。
 ララは驚きを隠せない。
「まさかウチらケツタッチンが負けるなんて、1000年以上無敗だったのに!」
「ボクの願いは――」
「願いなんか叶えてやるもんか。死んじゃえば無効だもんね!」
 ララが殺気を放った瞬間、ローゼンクロイツの瞳に五芒星[ペンタグラム]が浮かび上がった。
「ライトチェーン!(ふにふに)」
 ローゼンクロイツが放った光の鎖がララを拘束する。
「きゃっ、離しなさいよばーか!」
 瞬時に縛られたララ――その縛り方は亀甲縛り!
 まさか!?
「七味唐辛子を切らしちゃったから買って来て(ふあふあ)」
 すごいマイペース。
 流れとか、周りのテンションとか無視して、願い事をさらっと言ったローゼンクロイツ。
 ララは唖然とした。
「どんな願い事でも叶うのに七味って……しかも買って来いってパシリ!? まあルールはルールだから、ゲームはあんたの勝ち。買って来てあげるからこの鎖解いて」
 顔を膨らませているララ。この結果に納得してないらしい。
 ユーリはショックを受けていた。
「まさかこれでビビちゃんは元に戻らない……」
 と言った瞬間、ユーリの頭にビビのお尻が落ちてきた。
「ふぎゃ!」
 ビビに押しつぶされたユーリが呻いた。
 廊下の向こうではルーファスも元の姿に戻っていた。
「あれっ、戻れたの? よかったぁ」
 ほっとするルーファスにララが顔を向けた。
「ゲームが終わったら元に戻るに決まってるでしょ、ばか」
 決まってるとか知りませんから!
 ララは七味唐辛子をローゼンクロイツに渡した。
「はい、これでいいんでしょ」
「仕事が早いね(ふにふに)」
 一瞬にして買って来たらしい。さすがどんな願いでも叶えると豪語してるだけのことはある。
 ララがあっかんべーをした。
「じゃあね、バイバイ死んじまえ!」
 こうしてララはパッと消えてしまった。
 大騒動も一件落着して、学院も静かになるだろう。
 だが!
 ジャラジャラと鳴る音が近付いてくる。
「ルーファス!」
「は、はい!」
 慌てて返事をしたルーファスの先にはファウストが立っていた。
「どうやら使役に失敗したようだな」
「あっ、そういえば試験の最中だった!?」
「追試不合格だ!」
 が〜ん。
 ルーファスショック!
 見事、追試に不合格になったルーファスの顔に、ペタリと悪魔の契約書が張り付いた。
 悪魔の契約書によって、ルーファスはどーなってしまうのかッ!
 それはまた別のお話である。

 第13話_パンツに願いを おしまい