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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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魔導士ルーファス(2)

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 興味津々。
「え……それは、うん、ちょっとしたお願いだよ。ユーリちゃんは?」
「えっ……そ、それは(女の子になりたいなんて口が避けても言えない)か、彼氏ができますように、みたいな!」
「ユーリちゃん彼氏いないの?(あたしもいないけど)」
「ちょっと前までいたんですけど(思い出すだけでも腹立つ。あいつのせいで地元にいられなくなったんだし、マジムカツク)」
 く・わ・し・く・は、マ界少年ユーリを読め!(宣伝しつこすぎ)
 ブフォォォォォォォォン!
 廊下の角から噴き出してきた猛吹雪。
 これは!?
 いっしょに廊下の角から飛び出してきたララの姿!
 すぐ近くにいた男子生徒がララの飛び掛かろうとした。
「見つけた!」
 ほかの生徒たちも一斉にララに飛び掛かった。
 前からは生徒の群れ、後ろからはカーシャに追い詰められ、ララは冷や汗を流した。
「バカ雪女いつまで追ってくる気! リリは捕まっちゃったみたいだし、ウチが逃げ切らないと……」
 ほかの生徒たちに負けじとビビもララに飛び掛かっていた。
 ルーファスはおどおどして踏み切れず、その場から動けない。
 遅れてユーリもララに飛び掛かろうとしたが、嫌な感じがしてすぐに立ち止まった。
 ララの周りにマナフレアが集まっている。魔法を使うつもりだ!
 生徒たちをなぎ倒してビビがいちごパンツに手を伸ばした。
「これで願いが!(ルーちゃんの目を治して!)」
 あと少しでビビの手がいちごパンツに触れる瞬間、ララがニヤリと笑ったのだ。
 ユーリが叫ぶ。
「ビビちゃん逃げて!」
「えっ?」
 目を丸くしたビビ。
 だが、もう遅かった。
 ララが魔法を発動させる。
「デパンツ!」
 ララの手から放たれた謎の光を浴びたビビと生徒たちに異変が!
 パサっ、パサパサっと、床に落ちる大量のいちごパンツ。
 な、なんと光を浴びたビビや生徒たちがパンツに変えられてしまったのだ!
 さらにパンツに変えられても、意識は残っているらしく、しかもしゃべれちゃたtりもするらしい。
「うわっ、あたしパンツになっちゃった!?」
 ビビの声だ。
 みんな同じいちごパンツなので、声でだれなのか判断するしかない。
 ユーリはすぐにパンツビビを拾い上げた。
「ビビちゃんがパンツに変えられてしまうなんて……心配しないでください!」
「早く元に戻してよぉ!」
「アタシが大事にはいてあげますから!!」
 はくんかい!
 しかも、ユーリちゃん生えてますけど大丈夫ですか?
 カーシャの身体を包む冷気。
「あの妖精め好き勝手やりおって!」
 それはあんたでしょうが。
 魔法を唱えようとしていたカーシャの前に立ちはだかるファウスト。
「探しましたよカーシャ先生!」
 探す相手が変わってるし。
 またこの二人は派手にやるつもりだ。
 激突しようとしたカーシャとファウストの間に漆黒の翼が壁をつくった。
「おいたが過ぎるわ二人とも。これ以上、我が君の城を壊すことは万死に値する!」
 二人の間に割って入ったのは、学院長クロウリーの忠実なるエセルドレーダだった。
 エセルドレーダの鞭がしなった。
 この隙にララは逃げようとしていた。
「バカなヤツら」
 吐き捨ててララは廊下の角に消えてしまった。
 ユーリがパンツビビを頭に被ってルーファスに顔を向けた。
「なにぼさっとしてるんですか、追わないとビビちゃんも助けられませんよ!(そしてアタシの願いも叶えなきゃ!)」
 ララを追ってユーリが駆け出した。
 遅れてルーファスもユーリとララを追った。
 廊下に点々と落ちているいちごパンツ。ララが行く先々で生徒をパンツに変えているのだ。
 落ちているパンツを目印にララを追い続け、ようやく前方に浮かぶ影が見えてきた。
 ユーリが叫ぶ。
「待ちなさいパンチラ女! ビビちゃんを元に戻して!」
「元に戻して欲しいなら、ウチのお尻触って願えば〜?」
「願い事とビビちゃんを元に戻すことは別問題です!」
 キッパリと言い切った!
 ちょっぴりショックなビビちゃん。
「別問題って……あたしがパンツのままでもいいの!?」
「よくはないですけど、万が一の戻らなくても大事にはいてあげますから!」
「はいてくれなくていいから、ルーちゃんもどうにかし……て……」
 ビビの声がか細く力を失っていく。
「どうしたのビビ!?」
 ルーファスが叫んだ。
「意識が……ぼーっと……」
 さらにビビの声が力を失っている。
 ララが笑った。
「きゃはは、デパンツでパンツに変えられたヤツは、ほっとくとホントのただのパンツになっちゃうんだもんね!」
 しゃべれないパンツはただのパンツだ!
 このままではビビはただのパンツになってしまう。人生最後がパンツになって終わりなんて酷すぎる。さらにその後、変質者の手に渡ったりなんかしたら、はかれたり、臭いを嗅がれちゃったりするのだ。
 恐ろしすぎる!!
 ルーファスの頭に過ぎった考え。
「(あっちの妖精はふんどしに変える魔法を使えるのかな。そんなの恐ろし過ぎる!)」
 たしかに恐ろしいが、今はそんなことを考えている場合じゃない。
 ユーリは迷っていた。
「(本物の女の子になりたいけど、パンツのビビちゃんじゃ可愛さ半減以下。大好きなビビちゃんのためなら仕方ない!)」
 なにを思ったのかユーリがルーファスを担いだ。
 この体勢は!?
 ルーファスミサイル発射!
「やっぱり〜!」
 投げられたルーファスが叫んだ。
 本日2度目の発射だった。
 ユーリが叫ぶ。
「そのまま妖精のお尻を触って!」
 ぐんぐん加速するルーファスはララに向かって手を伸ばした。
「デパンツ!」
 ララから光が放たれた。
 パサッとパンツが床に落ちた。
「ぎゃああああ僕までパンツに!!」
 パンツにされてしまったルーファス。
 ユーリは冷めた目で見ていた。
「まあ、期待はしてませんでしたけど」
 ちょっとくらいは期待してあげてください。
 ララは余裕だ。
「じゃあね〜」
 悠々と逃げていくララの後ろ姿をユーリは終えなかった。
「(迂闊に近付けばアタシまでパンツに。アタシまでパンツになったら。だれがビビちゃんをはいてあげるの!)」
 ちょっと問題がズレている。
 しかし、変質者にパンツが渡ってしまったらと考えると、だれがパンツを所有するかは大事な問題だ。
 ただ、ユーリちゃんは生えてますけど!!
 ユーリがララを追って走り出した。
「ビビちゃん、今戻してあげますから!(誰かに先を越されて願い事されたら、アタシがなんとしてもお願いしなきゃ!)」
 走るユーリの足下にパンツルーファスが落ちている。
 ベチョ。
「うぎゃ!」
 踏まれるのはお約束です。
 踏まれたパンツルーファスは、ユーリの靴に絡まって引きずられる。
「ぎゃあああ!」
「なに? あっ、なんでアタシの足にくっついてるんですか変態ですか!」
「ユーリが踏んづけたんじゃないか!」
「早く離れてくださいよ、痴漢で訴えますよ!」
「だからユーリが……(訴えたいのは僕のほうだよ)」
 そうこうしているうちに、ララの姿が見えてきた。
 悲鳴が次々とをあがっている。
 生徒たちが次々とパンツに変えられているのだ。