魔導士ルーファス(2)
「カーシャ先生、生徒を殺そうとするとは許せませんねえ」
「殺すわけないだろうが、ばーか。瞬間冷凍なら、適切な解凍さえすれば命に別状はない。おまえだって現にピンピンしてるだろうが!」
「先ほどは、よくも氷付けにしてくれましたね。そのお礼をさせてもらいますよ!」
二人がマジでやり合ったら、そりゃもう大変なことになってしまう。
だが、これはルーファスにとってはチャンスだった。
「(ファウスト先生には悪いけど、押しつけて今のうちに逃げよう)」
コソコソっとルーファスはこの場から逃げることにした。
ファウストに気を取られているカーシャの眼中には、ルーファスのなんて映らない。
ドッカーン!
爆発音が聞けてきたが、ルーファスは決して後ろを振り返らなかった。
作品名:魔導士ルーファス(2) 作家名:秋月あきら(秋月瑛)