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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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魔導士ルーファス(2)

INDEX|23ページ/104ページ|

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「宗教画に描かれた天使のようなお嬢さん、クリスチャン・アリッサがどこにいるかご存じありませんか?」
「アリッサ様ならご自分の部屋でお仕事をなされていると思います。よろしければ部屋の目までご案内して差し上げましょうか?」
「ありがとうございます。君のような美しい方にエスコートしていただけるなんて、僕は天の階段を昇る心地です」
 ぜひともさっさと駆け上って成仏して欲しいものだ。
 シスターに案内され、ついに部屋の前まで辿り着いた。
 ツヴァンはノックをすると、返事も待たずに部屋の中に飛び込んだ。
「僕が本当に愛していたのは君なんだ!!」
 その視線の先には枯れ枝のようなバアさんが……。
 ローゼンクロイツはペコリと頭をさげる。
「こんにちはアリッサ様(ふあふあ)」
 どうやら本物のアリッサらしい。
 どこからともなくピュ〜と風が吹き、ツヴァンは白くなった。
 アリッサは笑った。
「ふぉふぉふぉっ、わしもまだ捨てたもんじゃないみたいだね。若い子に誘われたんじゃ、デートのひとつもしてやらんとな」
 骨と皮の腕がルーファスの腕に回された。
 このときルーファスは呪縛から解放されて意識を取り戻した。
「えっ、なに、どうなってるの!?(なにこの満面の笑みのおばあさん!?)」
 アリッサに連れられてルーファスは行ってしまった。
 呆然と立ち尽くすビビ。
「どーゆーこと?」
 どうやらもうツヴァンは消えたらしい。
 ローゼンクロイツは床に落ちていたあのメガネを拾い上げた。
「昔はずいぶんと美人だったらしいよ(ふにふに)」
 そう、じつはツヴァンが生きていたのは何十年も昔のことだったのだ。
 愛した相手の変わり果てた姿。
 共に同じ時間を過ごしていたら、違う結果になっていたかもしれない。
 呪縛霊とは時間に取り残された存在なのである。

 一方そのころ、どっかの道ばたでは。
「助けてくださいローゼンクロイツさま〜ん!」
 アインは簀巻きにされたまま放置されていた。

 第12話_ルーファスエボリューション おしまい