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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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魔導士ルーファス(1)

INDEX|79ページ/110ページ|

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「また……(命がけで守ったのか?)」
 それは一瞬の出来事だった。
 あのとき、偶然ではなくルーファスは自らビビに飛び込んだ。少なくともモルガンの目にはそう映っていた。
 モルガンはギターに乗り、なにも言わず去ろうとしていた。
 それに気づいたビビが呼び止める。
「ママ!」
 振り返ったモルガンは鼻先で笑っていた。
「旦那には彼氏のことは内緒にしといてあげるよ。それとシェリルの歌声、まだまだだけどまあまあいいと思うよ。それじゃ、またそのうち遊びに来るから」
 ビビになにかを言われる前にモルガンはビューンと飛んで行ってしまった。
 ……召喚でこっちの世界に来たのに、空からどうやって帰るつもりなのだろうか?
 というツッコミはきっとしちゃいけない。
 ルーファスはビビの膝の上で抱かれながら、なにがなんだかさっぱりわからなかった。
「カーシャのホウキで飛ばされたあとから記憶がないんだけど?」
「でもほかの記憶はちゃんとあるんでしょ?」
 ビビは笑顔で尋ねた。
「なきゃ困るよ」
「よかった、なら別にいいじゃん」
 さらにビビは笑顔になった。
 どこかで『ぐぅ〜』と腹の虫が鳴いた。
 お腹をさするルーファス。
「追試のことで頭一杯で朝から食事がのどに通らなかったんだよね……ああっ、追試!!(大変だ、追試どうなるんだろ。もしかして今度こそアウトかな。でもあれって僕のせいなの?)」
 急に慌て出したルーファスをよそに、ビビは呑気な声を出した。
「アタシもお腹すいちゃったなぁ(歌ったせいかな)。ちょっと早いけど夕飯はルーちゃんのおごりね♪」
「えっ、なんで私のおごりなの?」
「なんでもそうなの!」
 強引に押し切ってビビはルーファスを立たせると、その腕をグイグイ引っ張って歩き出した。
 まだまだビビのこっちの世界での生活は続くのだった。

 第7話_不良娘はピンクボム おしまい