魔導士ルーファス(1)
モルガンの手から蜘蛛の巣のようなネットが放出して、ビビもろともルーファスを捕らえようとした。
空気が焼ける臭いがした。
「ファイア!」
ルーファスの手から放出した炎がスパイダーネットを焼き尽くす。
「ルーちゃんすごーい!」
ビビは感嘆の声をあげた。
魔法を使ったルーファスが一番驚いていた。口をあんぐり開けたまま、身動き一つしない。
そこへすかさず大鎌ギターを振りかざすモルガン。手加減なしに首を狩る気だ。
「死ねーッ!」
モルガンの叫びに重なるようにビビも叫んだ。
「ルーちゃん危ない!」
そして、ビビはルーファスの身体を押し飛ばし、二人はもつれ合いながら屋根を転がった。
屋根を転げ落ちる二人。
その姿は一瞬にして見えなくなってしまった。
作品名:魔導士ルーファス(1) 作家名:秋月あきら(秋月瑛)