駄目でしょ!
「はぁーやぁーくぅー」
急かす琴ちゃんに、僕はお伺いを立てました。
「手袋を外すのは、繋ぐ方の手のだけで良い?」
「─ 仕方ないわねぇ」
自分は、繋がない方の左手には しっかり手袋をしたままで、唇を尖らせる琴ちゃん。
僕は苦笑しながら、出された右手を握りました。
「冷た!」
「どうだ、まいったか。」
「何でこんなに、冷たいの」
「冷え性だから♪」
琴ちゃんの指に、殊更 力が入ります。
「何故か 手袋してても、手が全然 暖まらないんだよねぇ」
「もしかして…僕で 暖を取ろうとしてる?」
「だって、ヒロの手 温かいし♫」
「・・・」
「うふ♡」