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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 3 私をそろばんずくにして

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「そんなこと言ってたら、バスやタクシーに乗れないよ」
「それとは違うよ」
「もっと乗り心地のいい車は考えなかったの?」
「そんな違いなんか分かんないだろ。大きい車は、壊れたら修理代もかかるし」
「大事に乗るんじゃなかった?」
(絶対、もっと大きい車の方がカッコいいと思うのに、春樹君のセンス違うな)
「バイト代、6万くらいなのに、ほんとに払える? 自転車の方がよかったんじゃない?」

 恵美莉はスマホで何やら調べ始めた。
「残価設定型ローンの罠・・・」
「何それ?」
「・・・さあ。・・・半額のローンに見えて、えっ! 利息計算だけは全額にかかってるんですって!」
「半額分の利息じゃないの?」
「てことは、利率が低くても利息支払い額は倍ってことじゃない?」
「うそ?」
「・・・そもそも、5年も乗って、新車同様じゃないと、最初に設定した下取り額にはならないようよ」
「新車同様って、そんな厳しい条件だったかな?」
「匂いもNGだって・・・だから、ほとんどの人が5年後に買い取れない上に、向こうの言い値で下取られるんだって」
「買取りでローンを継続できるだろ」
「うん。・・・その分の利息はもう払い終わってるはずなのに、追加でローンすると、その場合の利率は大幅にアップさせられるそうよ」
「まじか? 二重払いじゃないか。じゃ他の店で下取ってもらうよ」
「・・・それは出来ない! 車検証の所有者が販売会社にされてるから、その店以外には勝手に売れないみたい。これじゃマイカーって呼べないわね」