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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 3 私をそろばんずくにして

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「総額で230万円くらいなんでしょ」
「ああ」
「結構するよね。軽でも」
「オプションには拘りたいからな。LEDのテールランプに、車内メーターもブルーのLEDにしたし」
「LEDばっかじゃん(まったく、男の子って・・・)」
「ふふ、気付いてるかもしれないけど、白ナンバーも付けたんだ」
「白? どういう意味?」
「軽自動車って黄色ナンバーだろ。普通」
「そう言えばそうね」
「最近白ナンバーも付けられるんだよ。お金要るけど」
「それって、何か意味あんの? 金額は聞かないけど」
「大丈夫だよ。このローンにしちゃえば、仮に10万上がっても月々の返済額は、ほとんど変わらなかったんだ。だからこれも“そろばんずく”ってわけ」
「本当に? じゃ他にも何か付けたの?」
「安全性能にもオプション付けたよ。自動ブレーキかかるし」
「春樹君には必要な機能だわ。誰かが止めてあげないとダメそうだから」
「なん!? 恵美莉のためだよ。気が利くだろ」
「優しい。ありがとう。(ああ、無駄なお金の方が気になる・・・)でも安全運転してよ」
(春樹君、ずっとニコニコしてる。この車買って本当に嬉しそうなんだから)
「中古だとそんな機能付いてるの、まだないからね」
「でもさあ、中古で200万も出したら、結構大きい車に乗れるのに」
春樹の身長は167センチだが、恵美莉は172センチあった。この5センチの背丈の差は、軽自動車のシートでは意外に顕著に違いがわかる。
「新車じゃないと気持ち悪いでしょうが」
「ちゃんと洗って消毒されてたら、別に気にならないけどな」
「お前が嫌がるかと思ったのに」