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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 3 私をそろばんずくにして

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「追加額が払えない場合は、どうすんだよ?」
「・・・だからまた、次の車にその追加額を足して、同じローンを組むしかないみたい」
「永遠にそんなローンが組まされるのか!?」
「うーん。さすがに売る側の方が、“そろばんずく”だったわけよ」
「・・・・・・」
「結局は軽自動車なのに、普通車並みの値段で他人名義のローンを払ってあげてるってことじゃん」
恵美莉は、横目で春樹を見た。悔しそうな顔をしている。
(ほらー。よく考えないでこんなの買うから・・・)

「よし! 焼肉食べに行こう」
「な、なんで?」
「贅沢しようぜ」
「ムリムリムリムリ。本気で節約しないと」
「恵美莉のためにお金を使うことにする!」
「ダメダメダメダメ。やっぱり、よく考えてからお金使ってよ」
「お前にかけるお金だったら平気だよ」
(春樹君・・・)思わず目がハートになる恵美莉だったが。
「イヤイヤイヤイヤ。それは嬉しいけど、ちゃんと計画してから行動しようね」
「まあ何とかなるだろ」
(結構、お坊ちゃん感覚なのね。・・・よ~し)
「もし、返済が苦しくなったらあたしに言ってね。あたしもバイト頑張るから」
「恵美ちゃん。優しい!」
(へへへ、もしもの時は、きっと実家に頼るだろうから、あたしは安全だろうけど)
「そん時はよろしくな」
(へ? 本気であたしに頼る気? 計画どころか、行き当たりばったり!)
「・・・春樹君、ホントに“そろばんずく”って言葉知ってる?」
(あたしのことくらいは、計算して扱ってよね!!!)


     終わり