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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 3 私をそろばんずくにして

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「・・・あ、これか? まだ何か知らない」
「知らなくても運転できるんだ」
「そうだよ。そのモニターの機能だって、何が何だか全然わからない」
「カーナビでしょ?」
「ナビだけじゃなくって、音楽とかテレビとか全部タッチパネルで操作するんだ。音声認識のやつはものすごく高くて、これも18万もしたのに、設定が多すぎてまだ完全に終わってないんだ」
「いっ?・・・(こんなのが18万もするの? 大型テレビより高いじゃん)」
「触ってもいいよ」
「自爆スイッチはどれかな?(笑)」

 恵美莉は、タッチパネルを触りだしたが、テキパキと意外に早く操作する。
「そんなんで分かるのか?」
春樹はチラチラっと、横目で見ながら運転している。
「スマホと一緒じゃん。見た目で大体わかるよ」
テレビを起動してみた。
「途切れ途切れの音しか聞こえない」
「走行中、画面は点かないんだよ」
「そうね。意味ないわね」
「野球とかだったら音だけでも十分わかるよ」
「バラエティとかドラマは無理ね」
「音楽番組なら大丈夫」
「それなら、テレビじゃなくって音楽かけるわ」
「そうだよな」
「このテレビ要らないな」
(なんか物足りないや。やっぱり軽自動車だからかな? 春樹君にはうれしい装備みたいだけど、もっといい車に載せてくれる人いるし、いいか。・・・内緒だけど)
恵美莉は狭い車内で、足を組み直した。