いとこ
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二月十五日
宴兄さんが好き。宴兄さんは私の従兄です。宴兄さんは私の二つ年上で、とても優しくて素敵なお兄さんです。宴兄さんは皆から好かれていて、私はそれが少し嫌です。宴兄さんが誰かに嫌われているのに気付くのも嫌です。何故私と同じ顔をしているのに好みって違うのかしら。宴兄さんを好きにならない人なんて滅びてしまえばいいのに。宴兄さんが好きな人なんて朽ちてしまえばいいのに。宴兄さんの世界が私だけになればいいのに。私の世界は宴兄さんだけなのに。いつか宴兄さんを私のものにしてしまいたい。宴兄さんが好き。宴兄さんのことで頭がいっぱいになってしまうの。宴兄さんが私の名前を呼んでくれる幸せ。宴兄さんが私を見てくれる喜び。宴兄さん 宴兄さん 宴兄さん
九月九日
宴兄さんは私のもの。宴兄さんが私を見てくれるお城に住み始めた。宴兄さんとたくさんの約束をした。ここならもう何も心配する必要がない。私じゃない誰かを見ているのなら宴兄さんを殺してしまおうかと思うこともない。宴兄さんが私を愛してくれる。
三月七日
宴兄さんに命を奪われること、
「宴兄さん、愛して」