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フリーソウルズ2

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目に涙を浮かべてテーブルの端から落ちかけているSDカードを押し戻しす多香子。

カモ   「すみません」

多香子に謝りながら一方でリョウたちに彼らがとった非礼な振舞いを目で叱るカモ。

カモ   「リョウ、ゆっちん、レン、なあ本当に、本当に大事なデータを預かるとしたら、お前らどうする?」
リョウ  「まず、PCに入れっぱなしにはしないな」
レン   「リムーバブルメディアに保存する。鍵をかけて」
ゆっちん 「で、金庫にしまう。もしくは銀行の貸金庫に預ける」
カモ   「でもそれより、もっともっと大事なものだったら?」
リョウ  「きっと、肌身離さず持っておく」
カモ   「だよな」
ゆっちん 「あ、俺いっつも、みるきぃのチェキを財布に入れてるわ。ほんま、みるきぃは・・・」

尻ポケットの財布からアイドルの写真を取り出そうとするゆっちんをカモたちが押しとどめる。

カモ   「ゆっちん!」
リョウ  「2回目」
カモ   「罰金1000円」
レン   「グランド3周」
ゆっちん 「ひどいな、みんな。俺はな、将来大金持ちになって、みるきぃと結婚して・・・」
カモたち 「(3人が口を揃えて)それはない!」

うふっと笑う多香子
強張っていた多香子の顔が和らぎ緊張が少しほぐれる。
多香子の様子を見て笑顔を交わすカモたち。

リョウ  「貸金庫に預けるのさえ不安に思った。で、ブレザーに縫い込んで、始終持ち歩いた。眠ってる間も心配だったろうな」
カモ   「多香子さんの話を聞いて、俄然このSDの中身が気になりました。でもこれってやっぱ、お兄さんの遺品ですよね。赤の他人の僕たちが勝手に開いていいのかな」
多香子  「お願いします」

思案するカモたち。
亡き兄を思いだすかのようにSDカードに触れる多香子。

多香子  「私、東京に知り合いがひとりもいなくて・・・。兄が住んでいたときには一度も・・・」
ゆっちん 「多香子さん、僕が一緒に・・・」

多香子の手に触れようとするゆっちんを全力で羽交い締めするリョウ。

多香子が退出した超科研部室
1枚のSDカードをテーブルの上にある。

レン   「暗号キーを解除するのか・・」
ゆっちん 「パスワード入力に何回か失敗したら中身が壊れる仕組みのものもあるから、そこから確かめないと」
カモ   「だな、今うちにあるノートPCでは心もとない」
リョウ  「暗号解読アプリとか、サイテーだかんな」
ゆっちん 「知り合いにその手の専門家がいる」
リョウ  「ゲームオタクのクラッカーか?」
ゆっちん 「違うよ、アキバのあいつ」
カモ   「大丈夫か?」
ゆっちん 「請け合う。メイドカフェ3回分くらいの貸しがあるから」
リョウ  「心配ww」



作品名:フリーソウルズ2 作家名:JAY-TA