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スーパーソウルズ

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  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


アリーナ全体を揺るがすような姫君コールは、姫君のメンバーたちのいる楽屋にも届いていた。
「すんごいコール」
うららが指先でドラムスティックを回した。
「不安ですぅ」
綾乃は蒼い顔色をしている。
「大丈夫。準備はしてきた。みんな、自分を信じて!」
綾乃とうららに言った。
「そろそろ時間ね。円陣を組みましょう」
3人は立ち上がって輪を作った。
「最高の・・・」
とひめが言いかけたとき、楽屋のドアが乱暴に開けられた。
金髪ショートを振り乱して、肩で息をする女性が入ってきた。
「ごめん。遅くなった」
その女性の顔を見たとき、綾乃の顔面が崩れた。
「ま、りん、さーん・・・」
「真凛!」
「あなた大丈夫なの?」
ひめが真凛を気遣った。
真凛は、両手両足をシャキッと伸ばした。
「全然元気、ほら」
「じゃなくてメンタルのほう」
真凛は、真顔になって俯いた。
綾乃が真凛にそっとレスポールを手渡す。
「さっき、キョーイチんち寄って、手を合わせてきた」
「つらいね」
「香織さんは?」
「ひめ、俺いま、最高にロックしたい気分なんだ・・・」
真凛はレスポールを抱いて目を閉じた。
ひめは真凛の真意を汲みとった。
「わかった。きょう私も、山本くんと香織さんに届くよう全力で歌う」
姫君たちは、微笑みを交わし合った。
そして今度は4人で輪を作り片手を重ねた。
「ひ」
「め」
「ぎ」
「みーー!!」
4人はその手を天に突きあげた。


作品名:スーパーソウルズ 作家名:椿じゅん