EMIRI 2 あたしの話聞いてるの?
「シャンパンベースのカクテルがミモザ。ミモザサラダのことじゃないわよ。それにタカシ君が好きなのは、ミモザちゃん」
「人なの? 誰それ?」
「ヒデキさんの妹のミモザ。まだ高校生だけどね」
「俺、そんなの聞いたことないと思うよ」
「あれ? あたし、話したことなかったのかな?」
「俺以外の誰かと、勘違いしてない?」
「何言うのよ。春樹君しか、話す相手なんかいないわよ。ホントにホントに」
「そう? でも面白い人間関係だね」
「でしょう」
「じゃ、なんでチーちゃんは新しい男と来てるのに、元カレがその場にいるんでしょうか?」
(そりゃそうだな。その男とはまだ正式に付き合ってないとはいえ、別かれてない元カレが同じ席にいるなんて、おかしな状況だよな・・・)
「ね、変でしょ? なんででしょうか?」
「・・・それは・・・シンちゃん・・元カレ・・」
「シンちゃんが元カレ、リキ君がおニュー」
「解ってるよ。じゃ、ケイちゃんがチーちゃんに意地悪して・・・」
「妹がそんなことするわけないじゃん」
「えっ? 二人は姉妹だったの?」
「そうよ」
「あー、じゃ、シンちゃんがチーちゃんを誘って・・・」
「ブブー! チーちゃんがリキ君を誘って、内緒で飲みに来たんだけど、そこにミモザがわざと、シンちゃんを呼んだのよ」
「ミモザちゃんが、どうして?」
「ミモザはシンちゃんに気があって、チーちゃんと別れさせたかったんだって」
「こわっ! 彼女高校生なんだろ」
「そうよ。会ったことないけど。最近の女子高生は怖いわよね。それで、チーちゃん動揺して、お皿割っちゃったのよ」
作品名:EMIRI 2 あたしの話聞いてるの? 作家名:亨利(ヘンリー)