EMIRI 2 あたしの話聞いてるの?
「・・・・・・正解!」
(よかった)
「その店で初めにケイちゃんが、リキ君に声をかけたのね。じゃ、ケイちゃんのバイトは何でしょう?」
「(ケイちゃんの? ブランド好きだから・・・)キャバクラだっけ?」
「・・・・・・正解!」
「(ふう、勘が冴えてた)ああ。チーちゃんの元カレの・・・誰だっけ?」
「シンちゃん」
「うん、シンちゃん、解かってるよ。そのシンちゃんとチーちゃんは、どうやって知り合ったんだっけ?(先に適当なこと話して、テストを終わらせよう)」
「シンちゃんは、そのキャバクラのお客さんだったのよ」
「そうか。それもケイちゃんが、チーちゃんに紹介したんだったね」
「うん。そうそう」
(また偶然、話が当たった。うまく切り抜けたな)
「・・・・・・」
ジーっと春樹を見る恵美莉。
「なんだよ」
「今、うまく切り抜けたとか考えてるでしょ」
「な、なに・・そんなこと考えてないよ」
「今の答え、全部勘でしょ。目が泳いでたよ」
「ええー?」
「ほらぁ、やっぱり何も聞いてないじゃない」
「そんなわけじゃ・・・」
「でも、春樹君のそういうところが、扱いやすくって好きなんだけどね」
恵美莉は笑いながら、アイスティーを飲みきって、グラスの底をストローでズズズーと音をたてた。
「じゃ、サービス問題。ケイちゃんとチーちゃんが、好きなカクテルは?」
「どこがサービス問題なの? そんなこと聞いたことあったかな? マルガリータとか何か?」
「ブブー! ミモザよ」
「それサラダだろ? ケイちゃんの男が好きだって言う」
作品名:EMIRI 2 あたしの話聞いてるの? 作家名:亨利(ヘンリー)