オヤジ達の白球 66話~70話
オヤジ達の白球(68)カーポート倒壊
ドサリ。雪の落ちる音が聞こえてきた。
かたまりが、どこかでまとめて落ちたような音だ。
祐介が、おもわず足をとめる。
すぐ前方。洒落た2階建ての庭から、雪煙があがっている。
音はそこから響いてきたようだ。垣根越しに祐介が、中の様子を覗き込む。
信じられない光景が目に飛び込んできた。
「えっ・・・」
カーポートの支柱が、ぐにゃりと折れ曲がっている。
アルミの屋根が落ち、停めてある2台の車を直撃している。
屋根はゆるいアーチ状。本来なら雪がしぜんに落ちるはずだ。
しかし。屋根から滑り落ちた雪が、両サイドに雪の壁をつくった。
落ち場をうしなった雪が、さらに屋根へふりつもる。
時間ととも分厚くなっていく。
重みに耐えきれずついにアルミの支柱が、ポキリと折れた。
支えを失った屋根が大量の雪を乗せたまま、2台の車の上へ落ちた。
作品名:オヤジ達の白球 66話~70話 作家名:落合順平