L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開
第1話解説
主人公エルは、自分が何者か知らない。当初は自らがアンドロイドの開発機であること認識していただろうが、製造から15年を経て、外宇宙探査ミッションに転用されると、人工知能の思考の多様性を研究するために、プログラマーのケニー・ライアンによって、彼女がアンドロイドであるという事実は、認識しないように操作されてきたということだろう。
しかし、エルの宇宙船のコンピューターは、アップグレードが済む前に、新しいプログラムが始動してしまい、エルは、自分が何者か疑問に思わないまま、100年を超える年月を、宇宙船の中、一人で過ごすことになる。その間、エルの中で発生するプログラムのバグは修正されず、年月を積み重ねるうちに、その思考はある形で現れ出す。
それはアンドロイドの“感情”の始まりであった。プロトタイプであるエルの優れた思考力は、人工知能の開発に大いに役立てられ、後の人工知能の礎となる。そうして、後継機種には、“感情の種”の混じったプログラムがインストールされていくこととなった。
作品名:L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開 作家名:亨利(ヘンリー)