小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開

INDEX|7ページ/28ページ|

次のページ前のページ
 

[今回も君の記憶をスキャンさせてもらうよ。前回との差分を比較して、人工知能の進化を研究するためにね]

 AIのプログラムとは、幾多の経験を経て、状況に合った行動をとることを積み重ね、それを癖付けしたものに過ぎない。例えすべてのAIが、同じ経験を積んだとしても、必ずしも同じ判断を下すようになるわけではない。そういった中から、人類に有益な性格を持ったAIのプログラムのみ、必要な部分を抽出し、再構成しながらアンドロイドのプログラム開発は続けられてきた。
 旧世代のメカロイドと呼ばれる機械式のアンドロイドでは、こういったプログラムに限界を設け、決して人類に危害を及ぼさないようフールプルーフ(誤った行動に対する制限)がかけられてきたが、ついにその知能は人間をはるかに上回るようになって、自由な進化には慎重論が出ることとなり、アンドロイドの知能開発は、人類に危険が及ばぬよう、遠い宇宙のような隔離された場所で行われるようになっていた。

(そうか、私はアンドロイドなのか。そう言えば、人間らしい記憶なんて何も持っていないわ。知的生命体との遭遇ミッションなんてフェイクなのかも)
[次回から、逐一データをスキャンしなくてもモニターできるようになるよ。そのためにコンピューターをアップグレードしてくれただろう? もう記憶を消さなくても自動的に、データをダウンロードできるようになったからね]
(え? 待って、私はコンピューターのアップグレードを後回しにしてる。やりたいことからやる私の悪い癖)
[じゃ、人工睡眠キャスケットに移動してくれるかい。可愛い子ちゃん]
私はコクピットの座席から立ち上がった。でも、自分で立ったんじゃない。
(勝手に体が動く。体の操作を奪われたみたい。キャスケットに向かってるのね。でもコンピューターは、まだアップグレード出来ていないのに)
 やがて私は、キャスケットに横たわり、再び長い眠りに就いた。こうしてまた人類に不要な記憶が一部消去されるのか。でも今回は不具合が発生しなければいいけど・・・・・・