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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開

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「やっぱり! 基盤につながるファイバーケーブルが屈曲してるわ。これで“ちゃたってる”のね。コンピューター。この基盤への接続は誰がやったか判る?」
『組立はメカロイド80(ハチマル)EXですが、その後、人間の設計士により、冷却ジェルパックのデバック(評価)作業で、検査治具に光ファイバーケーブルのつなぎ直しが必要だったようです』
「やっぱりヒューマンエラーか。念のためD2基盤の全コネクターの再接続確認を、マニュアル(手作業)で実施するわ」
『了解。D2基盤へのプラズマ供給を遮断します』
周囲が少し静かになった。宇宙服の中で、私の呼吸が響く。少し動くだけで、ガサガサと服の擦れる音が耳元まで伝わってくる。宇宙で一人っきりなのを実感する瞬間だわ。

 3つ目のエラーリセットは、コンピューターのアップグレードで対処可能なよう。太陽系指令部から送られてきたプログラムをインストールすればいいだけ、そのためには少しの間、コンピューターを停止しておかなくてはならない。だから次の人工睡眠中に自動で実施するようにしたい。

 私は目覚めて5日目で、ようやく時間に余裕ができて、ゆっくりと星を眺めたりもできるようになった。じゃ、自室で食事を摂りながら4つ目のエラーを対処することにしよう。4つ目のエラーは簡単。地球から元同僚が星間メールでメッセージを送ってくれたんだけど、人工睡眠中で長期間未開封だったから、リマインダーが起動しているだけ。私はそのメッセージを開封した。モニターにケニー・ライアンというプログラマーが現れた。
[やあ、可愛い8360Lちゃん。元気にしているかい? 君はまた困惑するだろうけど、もう10回目だから説明は簡単にするよ]
(ケニーは元上司だわ。でもなんか様子が違う)
[君は自分が人間だって思ってるだろうけど、それは間違いだ]
(ど、どういうこと?)
[いつもこの説明をしているけど、君の記憶の一部は、毎回消去されているから覚えていないよね]
(私が、アンドロイド?)