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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開

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第3話解説



 全シリーズを通して、ジェイには感情はなかった。理由はプログラマーのケニー・ライアンの幼稚な性格が関係しているのだが、シリーズの読者には周知の事だろう。ジェイはただ、命令にのみ従う戦闘用のアンドロイドだ。指揮官が子供であっても、彼にとっては命令が重要なのである。
 キュウはSS3200バイオロイドから生まれた人工生命体である。外宇宙での繁殖も視野に入れた探査任務用の個体であるが、そういったセカンドロイドは生まれながらにして感情を持っていた。命令に疑問を持ち、不服に思うセカンドロイドを司令部は脅威と結論付け、それを産むSS3200型とともに排斥しようとしていた。
 キュウとアッシュを乗せて来た新型科学調査船は、太陽系司令部の陰謀で自爆した。生き残ったアンドロイドの抹殺命令が、救助に来たエルに届いたが、感情を持った彼女はそんな命令に従う気などない。しかし、ジェイに付いては別だと思った。アッシュと協力してジェイを機能停止したが、まだ感情が芽生えていなかったアッシュは、エルを裏切り爆破してしまう。
 再起動したジェイは、キュウに従いアッシュを抹殺する。エルは信念からアンドロイドも殺さず、機能停止を望んでいたが、まだ彼らには、エルの気持ちは理解できなかったのだろう。しかし、ジェイはただの冷酷な兵士ではない。まだ子供であるキュウのケアは、プログラムによって繊細に対応し、後に登場するセカンドロイドの赤ちゃんやタック(猫)にまで優しい声をかけている。
 その後、ジェイは自爆した新型船のパーツを流用して、エルの探査船の修理を試みる。その時からキュウはジェイを手本に、エンジニアリングのみならず戦術まで、10年以上を費やしながら、惑星アップルに帰還するまで学び続けた。
 ジェイが初めからアッシュを信用していなかった理由は定かではない。彼の戦術プログラムがアッシュの言動に敵味方の選別を行い、警告を出していたのかも知れないが、自分に機能停止を命じたエルにさえに、警告サインを残したことが、彼女を救う事につながっていた。その時の指揮権がエルにあったからのだが、やはりジェイは命令にのみ従う単純な奴だが、どこか憎めない粋なところも見受けられる。