L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開
「俺はこんな時のために、ありとあらゆる戦術がプログラムされている。だから方法はある。しかし、一人で行うのには無理がある」
「じゃどうすれば」
「お前が乗っていた難破船から、部品を探してこの船を修理できるかもしれない」
「僕も手伝うよ」
「そう言ってくれると、助かるんだが、アッシュに手伝わせた方がいい。奴はエンジニアだ」
「でも手伝ってなんかくれないよ」
「俺もそう思う。でも奴もバカじゃねえ。この船が修理できないと、奴も酸素が切れるまで、宇宙を漂うしかないのさ。力ずくでも手伝わせるぜ」
「きっとまた裏切るよ」
「ああ、解かってるさ。でもそうはさせない。イザという時は奴を破壊する。でもそれが俺には出来ねえんだ」
「どうして?」
「奴の方が俺より階級が上なのさ。俺みたいなバトルロイドは、上官には歯向かえねえんだ」
キュウはそれを聞いてうつむいた。
「僕はアッシュさんが嫌いだ!」
「アッシュはお前と一緒に、宇宙を旅してきた仲間じゃねえのか」
「アッシュさんが、僕のママを殺したの」
「前にエルと、破損した女のバイオロイドを回収したが、あれがそうだったのか」
「僕たちどうしたらいいの?」
「キュウ。俺にアッシュを殺すように命令するんだ。俺は指揮官の命令にのみ従う」
「・・・うん。アイツを、殺して!」
「ヨシ! そのミュージックを止めろ。俺たちにSOSは必要ねえ」
作品名:L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開 作家名:亨利(ヘンリー)